オバマ来日抗議・直接行動のレポートその2です

CHANGEは「儀式」? オバマへの抗議アピールに行ってきた

(記事「11月12日→14日、オバマ来日抗議行動やりました!」も読んでください)http://d.hatena.ne.jp/hansentoteikounofesta09/20091114/1258213309
映像は http://www.youtube.com/watch?v=Lved_Ert3Sc

11/14(土)赤坂サントリーホールオバマ米大統領の演説があった。今後のアメリカのアジア政策について話されるとのこと。
すると当然、アフガンへの派兵継続や、沖縄をはじめとするアジアの軍事基地のことも、話題としては直接出てこなくとも、問題としては意識されているだろう。

先月には、ゲーツ国防長官が岡田外相に「オバマ来日までに普天間基地移設の話に決着をつけろ」と、まさに脅しをかけていた。岡田はかなりうろたえた対応をしていた。
民主党マニフェストは沖縄の基地問題についてはあいまいに「負担軽減」を掲げただけだったが、やはり実際こんなものなのか。
またもや沖縄に住む当事者抜きに基地の話を進めるの?
政権交代とかCHANGEとかって、要するにこんなものなの?

お偉いさんが当事者を無視するならば、無視するなと言ってやるしかない。
というわけで、「沖縄とアフガンの声を聞け」というメッセージを届けるために、サントリーホールに正装+横断幕で行ってきた。
もちろん、「反戦と抵抗のフェスタ」が沖縄やアフガンを代表しているつもりはない。アフガンや沖縄の人と違って数百円の交通費でホールに来れるのだからということで、当事者の「代わりに」ではなく、ただ「おまえら当事者の声を聞きに行けよ」と言いに行ったのである。

残念ながら、ホール付近で横断幕を拡げようとしたその瞬間、多数の警察関係者に囲まれて、あっという間に排除されてしまった。
これって当たり前なのかなあ? どこの国でも大きな政治家が演説したりするときには、会場の周りにさまざまな主張の書かれたプラカードや横断幕がひしめいていたりするけれど。
排除の法的根拠を聞いても「ダメなものはダメだ」式の答えしか返ってこなかったし。(ちなみに、もちろん危険物の類はもっていなかったし、別にセキュリティチェックに応じてもよかったんだけど。)
やっぱり、この国の地金は権威主義ということだろうか。

ところで、排除のとき警察関係者のひとりが言ったのが、「お前ら儀式を破壊するつもりだろう」のひとこと。
少なくとも警察関係者は、あのオバマ大統領の演説を、こともあろうに「儀式」だと思っているのだ。
「儀式」ということは、演説の内容が問題ではなくて、ただ儀礼的にプログラムをこなして、それでお互いの仲を――というか「ぼくたちなかよし」という幻想を――再確認することが目的だったのだろうか。
あるいは、演説の内容はすべて結論ありきのことで、みんなそれに従うといいことあるよ、というアピールだけが目的だという意味で、「儀式」なのだろうか。
あのー私たち、オバマさんが国際政治について何かしら意味のあることを言って、それを聞いたひとたちも世界のさまざまな問題について考える、ということが主旨だと思って来たのですが。そうでなきゃわざわざ赤坂なんかに来ないよ。
これでは、どだい警察と話がかみ合うはずもない。かれらにとって、政治なんてものは「儀式」で、みんなは黙ってその「儀式」に従っていればいいのだ。

ところが、当のオバマや鳩山も、今回の来日を「儀式」だと思っていたのかもしれない。
オバマ自身も、13日の鳩山との会談ではゲーツと同様に普天間問題に早期決着をつけろ(つまりこれまでの移設計画でやれ)と言っていたようで(読売11/15朝刊)、やはり結論ありきだった。
鳩山も鳩山で、翌日にシンガポールで「オバマの要求する移設案にはこだわらないよ」と言ったようだが、じゃあ会談のときに直接そう言えよ!
けっきょくはオバマも鳩山も、もともと軍事以外には大した実体もなく、今後ますます実体のなくなっていくだろう「日米同盟」が、「まだなくならないよ!」ということを確認するために、「儀式」をしただけなのだろう。
(いわゆる日米同盟って、やはり安保条約のことなのでしょうか。じゃあせめて「日米軍事同盟」と言い改めてほしいもの。)

沖縄にとって、アフガンにとって、そして戦争や軍事制度による害をこうむっているさまざまな地域にとって、CHANGEとは何なのか。
それが分からない人たちがまだまだいっぱいいる。
だから、もっと多くの「反戦と抵抗」を!